- 長着-ながぎ
- 足首あたりまで丈のある一般的な着物のこと。羽織や襦袢は含まれない。
- 長襦袢-ながじゅばん
- 長着の下に着る対丈の下着。汗などの汚れが付くのを防ぎ、冬は防寒にも用いることができる。
- 長羽織-ながばおり
- 丈の長い羽織。丈が膝下の長さになるものを、長羽織と呼ぶ。茶羽織や中羽織に対していう。
- 夏大島-なつおおしま
- 糸の撚りを強くして肌触りをよくし、薄地に織った夏向きの大島紬のこと。
- 夏帯-なつおび
- 絽や紗、羅などの透ける素材や、麻、レースなどの涼し気な素材、綴織、博多織の単帯などが夏帯に属する。おもに通気性のあるものを指す。
- 捺染-なせん
- 色糊で布地に文様を染め出す技法。手描染に対する型染を意味する。
- 夏羽織-なつばおり
- 夏用の単羽織。うすものと呼ばれる透ける生地の絽や紗、羅、麻やレースなどの生地を用いているので通気性がある。
- 斜子織-ななこおり
- 経糸・緯糸ともに2本以上を一単位として平織りにした絹織物。羽織や帯地に用いられ、生地に複雑な味がある。
- 奈良晒-ならざらし
- 慶長時代以来、奈良地方から作られた麻織。夏の襦袢や長物に用いらる高級麻布。
- 業平格子-なりひらごうし
- 在原業平の衣服に表されている文様を指し、業平菱とも呼ばれる。三節縞が斜めに交差し、その中に十字の菱形を入れた文様となっている。
- 錦-にしき
- 金銀糸や色糸を使った美術的な厚地の絹織物の総称。奈良時代に盛んに用いられた。
- 西陣-にしじん
- 京都府京都市上京区から北区にわたる地域の名称日本の織物の産地の代名詞的存在。
- 西陣御召-にしじんおめし
- 京都の西陣地域で生産される先染め織物。先練り、先染めの糸で織られる絹織物で、しぼを生み出す「御召緯」という糸を用いるのが特徴。
- 二重太鼓-にじゅうだいこ
- 女帯の結び方の一つ。お太鼓結びの太鼓の部分が二重になったものであり、丸帯や袋帯などを結ぶときに活用する。
- 日本刺繍-にほんししゅう
- 日本刺繍は日本古来の刺繍技法で、絹の布に絹糸で刺していく。着物の美術的絵画的表現には欠かせない技法。
- 二枚重-にまいがさね
- 長着を二枚重ね、重量感と色彩の効果を目的をした盛装。明治中期には、三枚重ねが流行した。
- 人形仕立-にんぎょうじたて
- 雛人形などに着せる衣装の仕立て方。袖付から下の振りにあたる部分を縫いつめたもので、男物の長着にも用いる。
- 縫い絞り-ぬいしぼり
- 文様に表したい部分を縫った糸を引き締め、縮めて染める絞り染めの一種。多彩な絞り文様を表すことができる。
- 縫取御召-ぬいとりおめし
- 多彩で複雑な文様を織り出した御召縮緬の一種。文様の加工や花やかな御召を織るのに用いられる。
- 縫取縮緬-ぬいとりちりめん
- 意匠白生地とも呼ばれる。染料が染めつかない金属糸や漆色を用いた文様を織り出した、一種の染下生地といえる。
- 縫い箔-ぬいはく
- 着物の装飾技術の一つ。金銀を用いられることが多く、豪華な振袖、留袖などによくこの技術が用いられる。
- 縫目模様-ぬいめもよう
- 着物の縫い目に沿ってつけた、細かい模様のこと。
- 緯糸-ぬきいと
- 織物を構成する糸のうち、横方向に通っている糸。
- 抜衣紋-ぬきえもん
- 衿を背中の方に押し下げて、首筋を出すように着物を着ること。すっきり見せ、色気を感じさせる着装法。
- 布子-ぬのこ
- 麻や木綿で仕立てた綿入りの着物。江戸時代には、木綿で作り、これに綿を厚く入れて上から綿の動かぬように刺して閉じつけたものもあった。
- 濡れ描友禅-ぬれがきゆうぜん
- 友禅染めの中の無線友禅の一種。ぼかした染法で、色彩にやわらかさがあるのが特徴。
- 鼠-ねず
- ねずみ色のことで、ねずみの略。グレーと同じだが、着物の色名として用いられている。
- 練-ねり
- 精練すること。絹、毛、綿、麻などの繊維に含まれている膠質などを取り除く方法。
- ねんねこ半纏-ねんねこばんてん
- 子守半纏ともいう。子どもを背負うときに、上から覆いかぶせて包むように着る半纏。
- 能装束-のうしょうぞく
- 奥裏とも言う。袷や綿入りの着物の裏地で、胴の部分に用いる布地のこと。裏袖、裏身頃、裏衿、衽先布からなり、裾回し布とそれぞれ縫い合わせても用いる。
- 熨斗目模様-のしめもよう
- 小袖の模様配置のひとつで、袖の下と帯のあたりに横に模様を入れたもの。訪問着や留袖に用いられる。
- 熨斗模様-のしもよう
- 祝い事の贈物につける熨斗を文様化したもので、吉祥文様のひとつ。金銀などの加飾がほどこされている。
- 覗紋-のぞきもん
- 家紋の表現形式の一つ。丸や菱の輪郭の下部または上部に紋の一部を覗かせた女紋。
- 能登上布-のとじょうふ
- 石川県の能登半島で生産される麻織物のこと。現在は夏物の男物が多く、紺地に蚊紋や十字絣を織り出されている。
- 糊染-のりぞめ
- 糯粉を主として糊を用いる染色法。糊を防染剤として使用したり、糯に染料を混ぜた色糊で染色するものがある。
- 糊抜き-のりぬき
- 布地の糊を除去するために、温湯で糊分を落とし(湯通し)、湯のしをすること。